読書

アナキズムを読む/田中ひかる 編

アナキズム関連の読書ガイド。 アナキズムを読む 〈自由〉を生きるためのブックガイド 作者:田中 ひかる(編) 皓星社 Amazon アナキズムとアナキズムが読み取れる書籍が多数紹介されている。プルードン、バクーニン、大杉栄といった歴史的な人物の著作から、…

掃除婦のための手引書/ルシア・ベルリン 著

毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。道路の舗装材を友だちの名前みたいだと感じてしまう、独りぼっちの少女(「マカダム」)。波乱万丈の人生から紡いだ鮮やかな言葉で、本国アメリカで…

アナキズム入門/森元斎 著

著名なアナキストを紹介しながらアナキズムとは何なのかを紐解いていく内容。 アナキズム入門 (ちくま新書1245) 作者:森 元斎 筑摩書房 Amazon 『くらしのアナキズム』という本を読んで、アナキズムというものを漠然としか分かっていない、いや、本当は何も…

くらしのアナキズム/松村圭一郎 著

国家は何のためにあるのか? ほんとうに必要なのか? 「国家なき社会」は絶望ではない。 希望と可能性を孕んでいる。 よりよく生きるきっかけとなる、〈問い〉と〈技法〉を人類学の視点からさぐる。 本書でとりあげる「人類学者によるアナキズム論」とは… ・…

にんげん住所録/高峰秀子 著

昭和の大女優だった著者による著名人にまつわるエッセイ集。 にんげん住所録 (文春文庫) 作者:高峰秀子 文藝春秋 Amazon 京都の中心部から言えば西南の方角にある長岡京市の辺りを散策していると駅前に古書店があるのを知った。ヨドニカ文庫という古書店で、…

地獄への潜入 白人至上主義者たちのダーク・ウェブカルチャー/タリア・ラヴィン 著

白人至上主義、反ユダヤ、人種差別主義者、ネオナチ、そういった人々が集まるウェブサイトに潜入して彼らの主義主張を報告する書。 地獄への潜入 作者:タリア・ラヴィン,道本美穂 柏書房 Amazon 米国人の著者がインターネットの辺境のような白人至上主義者た…

ずっとお城で暮らしてる/シャーリイ・ジャクスン 著

18歳のメアリ・キャサリン・ブラックウッド(メリキャット)は、姉のコンスタンス、ジュリアン叔父さん、猫のジョナスと村のはずれの屋敷で暮らしている。ブラックウッド家については家族がヒ素中毒で亡くなったことから村人たちからは異常な関心と侮蔑の…

頭山満 アジア主義者の実像/嵯峨隆 著

戦前に大きな力をもったアジア主義者の浪人・頭山満(とうやまみつる)。アジアとの連帯感と侵略志向が併存するその思想を読み解き、日本のアジア観を問い直す。 頭山満 ――アジア主義者の実像 (ちくま新書) 作者:嵯峨 隆 筑摩書房 Amazon ナショナリズムの本…

人生は驚きに充ちている/中原昌也 著

小説、対談、ルポ、日記、エッセイと色んなジャンルの中原昌也の仕事集。 人生は驚きに充ちている 作者:中原昌也 新潮社 Amazon こんな本ってあまりないのではないだろうか。中原昌也と言えばノイズ・ミュージシャンだけど、小説家としても既に色んな賞を受…

民族とネイション/塩川伸明 著

エスニシティ、民族、ネイション、ナショナリズム、これらの言葉が含む意味は一様でないということを世界の様々な例を取り上げて解説する本。 民族とネイション: ナショナリズムという難問 (岩波新書) 作者:塩川 伸明 岩波書店 Amazon ひとつの国に多数の民…

社会学はどこから来てどこへ行くのか/岸政彦、北田暁大、筒井淳也、稲葉振一郎 著

社会学に関する社会学者たちの対談集。 社会学はどこから来てどこへ行くのか 作者:岸 政彦,北田 暁大,筒井 淳也,稲葉 振一郎 有斐閣 Amazon 社会学者の誰が何を言ったのか知らないが炎上していた模様で、その際に社会学者と社会学を貶めるようなことを言う人…

変!!/中島らも 著

80年代末に漫画誌に連載された中島らもの面白コラム。 変!! (集英社文庫) 作者:中島らも 集英社 Amazon 中島らもが、身の回りや世の中の変な物や者を取り上げて、それを面白可笑しく料理してしまうというコラム。1989年刊行なのでもう随分昔のものに…

アメリカン・ブッダ/柴田勝家 著

未曾有の災害と暴動により大混乱に陥り、国民の多くが現実世界を見放したアメリカ大陸で、仏教を信じ続けたインディアンの青年が救済を語る描き下ろし表題作の他、全6篇のSF短編集。 アメリカン・ブッダ (ハヤカワ文庫JA) 作者:柴田 勝家 早川書房 Amazon …

田中清玄 二十世紀を駆け抜けた快男児/徳本栄一郎 著

戦前は共産党中央委員長。逮捕、転向を経て、戦後は右翼の黒幕に。アラブの石油利権で暗躍した国際的フィクサーは財界人、保守政治家、ヤクザ、学生運動家、王侯貴族のすべてを受け入れた。「法螺は吹くが嘘はつかない」などと嘯く、騒々しいが憎めない男の…

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?/小野寺拓也、田野大輔 著

世界中で悪の見本とされるナチスだが、ドイツ国内の経済政策には成功したとか、失業率を改善した実績があるとか、少数ながらナチスは「良いこと」もしたという論者が後を絶たない。ドイツ史の専門家がそれらを検証するブックレット。 検証 ナチスは「良いこ…

新版 日本語の作文技術/本田勝一 著

新聞記者出身の著者が解説する分かりやすい文章を書くための作文術。 【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) 作者:本多勝一 朝日新聞出版 Amazon 文章が上手いと言われなくてもよいけれど、分かり難いとは言われたくない。名文家を目指しているわけでもないが…

ヨシキ✕ホークのファッキン・ムービー・トーク/高橋ヨシキ、てらさわホーク 著

すべての映画は政治的だ!ディストピア化する世の中にファック・オフ!ガラパゴス化する邦画市場、終わらない80’sリバイバル、不毛なポリティカル・コレクトネス論争、世界を埋め尽くすディズニー帝国の覇権、ファンダムの肥大と映画批評の行方……今、映画に…

ブラックボックス/砂川文次 著

ロードバイクを駆りメッセンジャーの仕事をする男は、不安定なこの仕事をいつまで続ければいいのか悩んでいた。そんな時に同棲している女から妊娠したことを告げられる。何か他の仕事を、と思っている矢先に税務署員が滞納している税金の催促にやってきて、…

悲の器/高橋和巳 著

法学部の教授である初老の男は妻を亡くしていたが、若き令嬢と再婚する運びとなっていた。しかし、家政婦の女と関係を持っていたことから婚約不履行で訴えられ苦悩の日々が続く。 悲の器 (河出文庫) 作者:和巳, 高橋 河出書房新社 Amazon 著者の『邪宗門』が…

映画を早送りで観る人たち/稲田豊史 著

映画を早送りで観る人たちがいる。彼らは彼女らはどんな人なのか、なぜそうするのか、そうせざるを得ないのかを考察する内容。 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon 映…

ハリウッド映画の終焉/宇野維正 著

#MeToo運動とキャンセルカルチャーによる映画関係者の排斥、マーベルなどのヒーロー映画、そして配信で映画を観ることが普及したことによって映画界はどうなっていくのかという映画評論家の著者による考察。 ハリウッド映画の終焉 (集英社新書) 作者:宇野維…

文章読本/吉行淳之介 選・日本ペンクラブ 編

20名の作家による文章術の極意と心得 文章読本 (中公文庫, よ17-15) 中央公論新社 Amazon 谷崎潤一郎、井伏鱒二、川端康成、三島由紀夫、他、錚々たる文豪の書いた文章術が掲載されている。しかし良い文章を書く秘訣は分からなかった。もっと小手先のテク…

ジャパノイズ サーキュレーションの終焉/デヴィッド・ノヴァック 著

90年代に北米で注目され、独自の理想の音楽を実践する世界として「ジャパノイズ」と呼ばれるようになった、日本のアンダーグラウンド・ノイズ・ミュージック。ノイズの多様性に、そのありのままの創造性に迫る、日本の第一線で活躍するノイジシャンと興隆…

薬菜飯店/筒井康隆 著

神戸の路地裏にあった薬膳を出す中華飯店に入った男は驚愕の料理に出会うことになる。表題作含む6編の短編と俵万智の『サラダ記念日』のパロディ『カラダ記念日』を含む短編集。 薬菜飯店(新潮文庫) 作者:筒井 康隆 新潮社 Amazon なぜか久々に筒井康隆を…

無名仮名人名簿/向田邦子 著

向田邦子が出会ってきた人物や事物に関するエッセイ集。 古書店で購入しました。別に他意はないのです。向田さんはもうお亡くなりになっているから、新刊で買わなかったからといって怒ったりがっかりもなさらないだろうし。今、書店に並んでいる文庫本は「新…

自炊。何にしようか/高山なおみ 著

料理家、高山なおみさんの一人暮らしのための料理本。 自炊。何にしようか 作者:高山 なおみ 朝日新聞出版 Amazon 特別な料理のレシピは載っていないのです。餃子だったり焼きそばだったり焼き茄子だったり、そういう日々の食事のためのレシピ本。でも「あ、…

保守主義とは何か/宇野重規 著

保守主義の源流から、その変遷、そして本邦における保守主義を概説する書。 保守主義とは何か 反フランス革命から現代日本まで (中公新書) 作者:宇野重規 中央公論新社 Amazon 先般『リベラルとは何か』という本を読んだ。そっちを読んだなら対立する側の言…

この世の喜びよ/井戸川射子 著

ショッピングモールの喪服売り場の店員として働く女が主人公。向かいのゲームセンターで働く若い店員やそこにいつもいる老人、フードコートにいつもいる中学生の女子と関わり合いながら主人公は昔のことを思い出したりする。 第168回芥川賞受賞作。 この…

嘘と正典/小川哲 著

後にカール・マルクスと共著で『共産党宣言』を著すフリードリヒ・エンゲルスは英国で工場暴動の首謀者として裁判を受けていて、決定的な証人が入廷しようとしていた。一方、冷戦時代のロシアでCIAの工作員はロシア人科学者と接触し国家的な重要機密を受け取…

リベラルとは何か/田中拓道 著

リベラルと呼ばれる思想がどこから来たのか、そして世界情勢と時代の変化によってどのように変遷して、現在は如何なる思想となっているのかを解説する本。 とても分かりやすく為になる本だった。 左翼という言葉があまりにも雑に使われているといつも思って…