ずっとお城で暮らしてる/シャーリイ・ジャクスン 著

18歳のメアリ・キャサリン・ブラックウッド(メリキャット)は、姉のコンスタンス、ジュリアン叔父さん、猫のジョナスと村のはずれの屋敷で暮らしている。ブラックウッド家については家族がヒ素中毒で亡くなったことから村人たちからは異常な関心と侮蔑の念がこもった感心を寄せられているが、メリキャットは様々な物で領地に結界を張って村人を遠ざけている。
彼女たちは静かに暮らしていたが従兄のチャールズがやってくることでその生活は崩れていく。

 

某、著名小説家の方がこの小説を生涯のベスト・オブ・ベスト的に褒めておられて「へー、いつかは読んでみようかな」くらいに思っていたら古書店であっさり出会ってしまったので購入。読んでみた。

時代設定がどこにも書いてなかったと思うのだが、wikipediaによると作品が発表されたのは1962年らしいので、その時代のアメリカということだろう。
お城と言われるのはブラックウッド家の立派な屋敷で、そこに閉じ籠もって暮らしている姉妹を描いている。

素直に感想を書くと、生涯のベストと思えるような驚きはなかった。一編の短編小説を読み終えたくらいの感想でしかない。ただ、描写されていないアレやコレがあるのだけれど、そこを描かなかったから意味深で奥行きがあるようなないような。

物語の展開を書くのはネタバレになってしまうので書けないけれど、それを説明しないとこの小説の悪意というか厭らしさを説明できない。
言えることがあるとするなら魔女趣味だとか女だけで暮らしているところに男がやってきて平和を乱すところとか、ゴシックな少女趣味とかだろうか。何を言ってるか分からないだろうけど。

感想文を書くのに困る小説だな。まあ面白かったとは思うけれど自分にはそれほど深く刺さった感じでもない。俺の感性が鈍いんでしょう。それはそれで残念なことでもある。