アメリカ映画の文化副読本/渡辺将人 著
〈7つの文化〉で紐解いていく「アメリカ」。お馴染みの著名作品から日本では劇場未公開の知られざる個性派作品、Netflixオリジナル作品やAmazonプライムなど配信系オリジナルの映画ドラマまで数多くの作品を幅広く紹介。
アメリカ映画の中で、アメリカ人なら知っていて当然、常識、そんな事柄を詳細に解説してくれている本。アメリカ映画で舞台となる都市と地域が表す意味、宗教や人種がどのように捉えられていてどのように機能しているか。それが分からないと映画を観ても笑えなかったり理解できなかったりする事柄が書かれている。
例えば、先日観た『ボーはおそれている』という映画は母親が全てを仕組んで監視していたというオチだったけれど、これはユダヤ人の母親が子供に強く干渉するジューイッシュ・マザーというものがあるらしい。そういうことが書かれていて、あらためて知った。というか、知らんがな、の世界。特に大学と進学については知らないことが多かった。
ただ、こういう本を読んで予備知識を身につけて映画を鑑賞するのも手だろうが、映画を沢山観ることによって「アメリカってこんな風になってるんだなあ」と学ぶことも多い。映画はただの娯楽に見えて文化の輸出という意味では大きなものなのだと思う。