哀れなるものたち

2024年、アメリカ/イギリス/アイルランドヨルゴス・ランティモス監督

天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。天才監督ヨルゴス・ランティモスエマ・ストーンほか、超豪華キャストが未体験の驚きで世界を満たす最新作。

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結構前から楽しみにしていた映画だったけれど、淡々と観てしまった。
つまらなかったわけではない。そこここに面白くなりそうだという予感はあった。けれど、そうなることなく映画は終わってしまった。
例えば、ベラの元夫が登場した展開では「ここからどうなるのだろう」という期待があった。あったけれど、その後の展開には「ああ、そうなるんですか、ふーん」みたいな感想しか持てなかった。結構びっくりするような結末だったけどね。でもそんなに驚きはなかった。

なぜそうなったのかと考えると、冒頭でこの映画はファンタジーだと宣言しているから、それ以降にどれだけ突拍子もない展開がおとずれても「まあファンタジーだから」と思ってしまう下地ができてたんだと思う。ファンタジー映画の展開にあれこれ言っても仕方ない。リアルじゃないとか理不尽だと言っても仕方ない。ファンタジーだから。

それでも豪華なセットと衣装、幻想的な街並みなど目を楽しませる要素はいっぱいあった。でも楽しめなかった。本当に感想は無。つまらないとも面白いとも思えなかった。ただ無理やりひねり出すとすれば、自由を求める生命力の原動力のひとつが性愛だということは分かるけれど、こんなに直接的に描かなくてもいいんじゃないの、くらいの感想。