極私的2021年ベスト

もう終わるんですね、今年。

 

■映画
『DUNE/砂の惑星

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素晴らしい体感型映画。3Dだとか映画館の座席が動いたりとか、映画の色んな体感の形はあるけれど、そのようなギミックを使わずに観客を映画の世界に放り込んでしまう作品だった。映画は鑑賞することでそこに写っている景色や人物の感情や社会や世界を経験するものだけれど、それをあらためて感じた映画だった。Part2が楽しみです。


■読書
邪宗門

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新興宗教の勃興を描いた小説。この小説を読んだことはずっと覚えていると思う。それほどの重厚な傑作だった。
知識を得るための書籍は沢山あって、科学だとか歴史だとか経済だとか、そういうものを読めば頭の中に知識が蓄積される。小説を読むと知識を得ることもあって、物語に載せて語られる知識は忘れにくいし何故か心の底に沈殿するから。でもそれよりも色んな人間の感情を味わうことができることのほうが大事な気がする。そしてその感情の記憶は物語を忘れてしまっても何かしらの断片が心の底に染み付いているような。たぶんそのような経験は色んな人の気持ちを推し量ったり、その延長線上に社会が構築されていることを考える時に大事なんだと思う。

次点
『1945,鉄原』

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韓国のヤング・アダルト小説。太平洋戦争で日本が敗戦を宣言したその日から朝鮮半島でどのようなことが起こったかが描かれている。
このような骨太な小説が若者向けとして出版されていることが素晴らしいと思う。

 

■音楽
該当なし

今年は一枚のCDもレコードも買わなかった。自分でお金を出して音楽を聴くということをしなかった年だった。そして手元のCDやレコードを聴くことも少なくなって、それは「あの曲が聴きたい」となってもレコード棚を探すよりYoutubeで探した方が楽だから。そんな風になってしまった。Amazon MusicSpotifyも試してみると確かに便利で楽なのでそっちに流れてしまっている。でもSpotifyには大好きなスティーブ・アルビニのバンドRapemanはなかった。課金するのを押しとどまった理由はその辺り。
Youtubeでよく聴いたのは

www.youtube.com

www.youtube.com

など。

映画を観たのはたったの4本、読書は11冊、音楽は一枚も新譜を聴いていない。こんな人間が一年のまとめなんてする意味はない。
昨年も同じことを書いたがやはり同じで、仕事が辛く休みも不定休で体調管理が難しい。毎日時間がなく、食事を作ることも放棄してコンビニが生命線のような生活になってしまった。夏以降は鬱っぽくなり休日は殆ど部屋でウトウトとしている間に過ぎてしまった。なんの為に生きているかよくわからない。しかしやりたいことが沢山あるというわけでもなく、気力が萎えてしまってどうしようもない。