DESTINY/松任谷由実

YouTubeで曲名検索したらカバーとスライドショーが釣りバトルしてて地獄』

というタイトルのブログ記事を読んだ。タイトルで全てが語られている通り。
確かにそう思う。検索して「歌ってみた」みたいなのが大量に引っ掛かるとうんざりすることはよくある。youtubeあるある。

しかし意識的にカバーを探すこともあるんですよね。この名曲を歌っている他の歌手はいないものかと。そういう時には大量に引っ掛かる素人の動画にも目を通すことになる。

最近FMcocoloはなぜかユーミン推しで松任谷由実の曲がよく流れる。特に好きでもないがやはり人気のある歌手なので知っている曲も多いわけです。でもそんなに好きってわけでもない。
なのにこの曲が流れて来て、ああいい曲だなあ、と思ってしまった。

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79年の曲の割には今でも聴ける感じで、そう思うと当時は先進的やったんかなとも思う。で、今の歌手がカバーしているものはないのかしらと思って検索していたら素人カバーなどもひっかかるわけです。で、その過程で見つけてしまったのがこれ。

 

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おじさんが松任谷由実のカラオケを歌っている。それだけ。
最初聴いた時は非道いと思った。ユーミンのテイストが一ミリも含まれていない。しかしなぜか気になってしまった。以来何回も聴いてしまった。するとだんだん悲しくなってきた。カセットテレコを前に畳の部屋で一人でユーミンを歌うおじさんの姿を想像して淋しくなって涙さえ滲んできた。
歌詞には「悲しきDESTINY」という部分があるがユーミンの歌はちっとも悲しくない。おしゃれな恋模様でしかない。しかしこのカバーを聴いていると確実に悲しくなる。おじさんが絞り出す高音に悲しみと淋しさが滲みだす。原曲がポップなのに対してこのカバーはブルースだと言って良い。
勘違いして欲しくないのは、インターネットでちょっとした変わり者を見つけて晒しものにするようなそういうことをしたいんじゃない。統合失調症の人が書いた誰かに監視されいているといった内容のブログを見つけてきてウォッチしながら笑い物にするようなそんなことをしたいんじゃない。
悲しさや淋しさを表現した歌手としてこの投稿者は松任谷由実を数百倍上回っている。原曲を忠実にカバーしているのに本家の歌手が描いたものよりもそれを反転したうえで120%のものを表現している。悲しいという一点においてユーミンよりもこの投稿者の方が確実に勝っている。

こういうものが見つかるのだから検索結果にカバーがひっかかるのも悪くないんじゃないんですか、という意見です。