前衛音楽入門/松村正人 著

アヴァンギャルド”とはなんだったのか!?音楽の限界をめぐる20世紀の冒険その後ポップ・ミュージックに応用される“前衛”から“実験”へのクロニクル

所謂、前衛音楽、アヴァンギャルド、即興音楽についての歴史が綴られている内容。

自分はノイズ・ミュージックを好んで聴いているけれど、前衛音楽と言われるものについての知識は疎かったので、この本を読んで点と点が先で結ばれるような感じがあった。
ノイズのディスクを扱っているようなレコード店に行くとフリージャズやクセナキスシュトックハウゼンのような現代音楽が同じ店内に並んでいて、趣味嗜好が似ているから置いてあるんだろうなあ、くらいの感じでしかなかったけれど、現代音楽から前衛へのアプローチとジャズからのアプローチが同時多発的に進行して、アヴァンギャルドがポップミュージックへも進出していたことが分かった。20代の頃に秋田昌美の『ノイズ・ウォー』を読んだ時は何も分からず、ちんぷんかんだったけれど、今になってこの本を読んで分かったことも多い。

しかし前衛音楽なんて音楽ジャンルの中でも一般的でないジャンルだと思うが、その歴史を仔細に綴ることができる知識を持った人はいるものだな。まったくマイナーな音楽知識だと思うけれど、このように歴史とその進化の経緯を書籍の形にしてくれるのはまったくありがたい。そういう意味で貴重な本だと思う。