EROSION/SOLMANIA

1987年にFatagaga Tapesからカセットでリリースされた音源の再発盤。再発元は、日本のノイズ・ミュージックの過去作を再発し続けているイタリアのレーベルUrasima。

SOLMANIAを聴き始めたのは90年代に入ってアルケミーからリリースされた『Psycledelic』からだったと思う。オリジナルがリリースされた87年だとまだSOLMANIAの音源は聴いていなかったしライブも見ていなかったと思うが、同年にリリースされたBoredomesの『恐山のストゥージーズ狂』は梅田のForever recordsで手に入れているので、関西のアンダーグラウンドの音楽に興味が向いていた時期だったのだろう。もう色んなことを忘れてしまって。

2016年にアルケミーからCDでリリースされた『Kill』を聴いて以来、新しいアルバム、レコードも手に入れることができていないが、定期的にライブは見ているように思う。ライブで改造ギターを操るSOLMANIAを見ているとなんだかスッキリする。

ライブではおよそギターから発しているとは思えない音の洪水を堪能させてくれるのだが、本作は80年代のリリースということでギターが鳴っている感じがする。「ああ、このノイズはギターから発せられているのだな」と感じられる。しかし古さは感じない。
ノイズ・ミュージックって最も古さを感じさせない音楽かも知れない。ポップミュージックなら曲調や楽器の音色などに流行というものがあって、それゆえに過去のものは古く感じさせるもので、80年代のポップスのシンセサイザーのプリセット音が鳴っているような音楽はとても古く感じる。
ノイズの世界でも機材は更新されているだろうし、時代によって音の変化や進化はしているのだろうけれど、そういうものを聴き取れるほどの耳を持っていないからそう思うだけかも知れない。

なんだか古いノイズを聴くことが多い。若いノイズの人をキャッチできるアンテナが鈍っている。若いやつが無茶しているような、今鳴っているノイズも聴きたいのだけれど。