ロボコップ

1987年、米国、ポール・バーホーベン監督

職務中に殺されてしまった警官マーフィーは、警察の業務を請け負っている民間会社オムニ社によってロボット警官に改造されてしまう。ロボット警官として無敵になったマーフィーは街の治安維持に活躍するが、オムニ社内の勢力争いによって重役とギャングが繋がっていることを知ってしまう。

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いつ頃だったか忘れたけれどずっと昔に観た映画。『ロボコップ』という語感の格好悪さ、そのアイデアの安直さ、そして微妙に格好良いと思えないロボコップの造形などを思って軽い気持ちでしか観ていなかったと思う。強烈な印象はあったけれどそれほど名作だとも思っていなかった。アマプラにあったから軽い感じで吹替版を鑑賞した。

今観ると全編にわたって嫌味と皮肉と悪ふざけがぎゅうぎゅうに詰まっている楽しい映画だった。この厭味ったらしさに当時は気付かなかったんだろうなあ。同監督の『スターシップ・トゥルーパーズ』も嫌味と悪趣味が充満している映画だったけれど、あれは、そういう味を大いに楽しめたのに『ロボコップ』の時はそうでもなかったんだろうなあ。なんというかロボット+警官というアイデアが子供っぽいように感じたからだろうか。虫型宇宙生命体が襲ってくる宇宙戦争ものも子供っぽいと言えるだろうけれど。

悪党のボスはマイケル・アイアンサイドだとずっと思っていたが違っていた。ロボコップのアクションや太腿に銃を収納するギミックなども意外と格好良い。そしてビジネス・パーソンや威張り腐った偉い重役を戯画的に悪趣味に描いて最後はそいつ等が酷い目にあうという痛快なお話でもあった。昔観た時よりも細部が頭に入ってきて殊の外楽しい映画だった。なんで昔の俺はそんなにこの映画を楽しめなかったのだろうか。