NIGHT OF THE LIVING DEAD

1968年、米国、ジョージ・A・ロメロ監督作

親の墓参りにやってきた兄妹は正体不明の男に襲われ兄は殺されてしまう。妹は逃げおおせて一軒家に入り込むが、黒人青年、若いカップル、そして怪我をした子供を抱えた両親と共にその家に立て籠もることになる。外には何らかの事情で蘇った死者が集まり、彼らに襲いかかる。

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ゾンビ映画クラシック。

過去の名作で、観ておかなければいけないと思いつつも先延ばしになっているものは幾つもあって、これもそういう一本。『ゾンビ』(Dawn of the Dead)は大好きな一本だから、すぐにでもそのルーツである本作を観ればよかったのに手を付けられずにいた。

観てみると『ゾンビ』との共通点がかなり多い、というか本作の発展させたものが『ゾンビ』だったことを今更ながらに知る。正体不明の生ける死者が大量に生まれる、生き残った者はある場所に立て籠もる、仲間である彼らの中で意見の対立が起こる、事態は悪化する、そういった展開が『night of the living dead』から『dawn of the dead』に受け継がれていてスケールアップしている。そして『dawn of the dead』にあった面白さの根源が、ほぼこの映画にあるということを知った。『dawn of the dead』は1978年の作品なので、1968の映画の発展形を形にするのに10年かかったのかというのも感慨深い。

その当時の日本映画でこれと比べられるホラー映画があったのだろうか。Wikipediaのリストを見てもそういうものは見当たらないし、あったとしても怪談物みたいな感じではないだろうか。こんなにスリリングな娯楽映画としての恐怖映画があったとは思えない。

そして同じ1968年の映画として『2001年宇宙の旅』があることも知った。本作のような低予算のホラー映画とキューブリックの映画を比べるのは酷かも知れないが、『2001年宇宙の旅』の先進性に改めて恐ろしさを感じたりもしたのだった。