スター・ウォーズ/最後のジェダイ

2017年、米国、ライアン・ジョンソン監督

エピソード8

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マーク・ハミルという俳優を皆はどのように捉えているのだろうか。自分にとっては、初期3部作でルーク・スカイウォーカーを演じた俳優という認識であり、それ以上でもそれ以下でもない。他には『ハンバーガー・ヒル』という戦争映画に出ていたと思っていたがwikipediaを見ると『最前線物語』という映画だったようだ。その映画の記憶もマーク・ハミルの演技もその程度にしか記憶にない。

同じくwikipediaによると彼は『スターウォーズ』以外でも認められる仕事をしてきたようだが極東のささやかな映画ファンにはそのような実感はない。まあ言ってみれば言葉は悪いが『スターウォーズ』だけの一発屋のような印象は拭い去れない。

しかしその一発はかなりでかい。あまりにもでかい。なんせ『スター・ウォーズ』なのだから。初期三部作であるエピソード4,5,6が築いた歴史はあまりにも偉大過ぎてエピソード1,2,3、そして現在公開中のシリーズであるエピソード7,8も初期三部作との整合性を整えるためにありとあらゆる努力と工夫が込められている。

しかしそれももう終わりにしても良いのではないかと思っている。外伝である『ローグ・ワン』はエピソード4の前日譚というもので、当然シリーズとしての辻褄を合せる工夫はしていたもののスターウォーズの設定を使って好き勝手にやった映画として面白く観た。俺が観たかったのはこれだ、とさえ思った。スターウォーズの世界観を使ってルークもレイアもソロも出てこない映画をどんどん作ればいいのにと思った。

本作『最後のジェダイ』は初期三部作に決別を宣言するような作品だと言っていいのではないかと思う。マーク・ハミルが伝説のジェダイルーク・スカイウォーカーとして出演し、その役目を終えた作品だと言えるのではないだろうか。ひげもじゃで老成したルークが戦場に降り立ち、そして去って行く。そういう映画で、映画の出来としては凡作だと思う。しかしやはり本作は必要だったのだろう。ルーク・スカイウォーカーを退場させる為には大作映画が一本必要だ。そのくらいの存在なのだから。

きっと次作のエピソード9で初期三部作とはきっぱりと決別するのだろう。まだスクリーンの中ではキャリー・フィッシャーが演じるレイア姫は生きているのだから。でもまあなんとかうまくやるのだろう。そしてたぶんそいつも観に行くことになるのだろう。

ディズニーはスターウォーズの新シリーズを作ることを宣言しているのでep9以降に新たなスペース・オペラの物語が観られるのではないだろうか。それを楽しみにしている。
でもこの映画を一緒に観に行った連れは「スターウォーズのシリーズというのは初期三部作との関係から外れてはいけない。例えノスタルジーだったとしてもそれで良い」というお考えのようだった。俺としてはそうは思わない。でも映画に求めるものは人それぞれであって良いと思う。