JOHN WICK

2015年、米国、チャド・スタエルスキ監督

妻の為に殺し屋稼業を引退した男は、最愛の妻を失ってしまう。失意の中、妻からの最期の贈り物である子犬が届くが、マフィアの馬鹿息子に車を奪われ子犬も殺されてしまう。男は仔犬の為に復讐の鬼と化す。

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銃撃戦が大好きなボンクラ映画ファンが本作を観てどう思うかというと最高なのです。『マトリックス』のキアヌ・リーブス、『ストリート・オブ・ファイヤー』のウィレム・デフォーと役者は揃った感があって、その二人が演じるのは銃撃戦に次ぐ銃撃戦なんて楽しくないわけがないのです。仔犬殺されたくらいでそこまでやる?と言われそうですが、だって犬可愛いんだもん。犬の為なら殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺しても殺し足りないのです。

いわゆる、「大人しい人間が実は最強だった」という水戸黄門的な話なわけですが、ボンクラは「大人しい人間」の部分に「俺と一緒じゃん」と感情移入して「実は最強だった」の部分に「俺だって本気出せば」という夢を託すわけです。そんな物語の構造はあざといと言われるかも知れないけれど、恋愛ジャンキーの為の恋の歌や、怠け者の為の励ましソングなど、駄目人間を甘やかしてくれる麻薬歌謡が世間には沢山あるのだから、ボンクラが夢をみる為の映画もあっていいのです。パッとしない毎日をスクリーンの中の主人公に託して憂さを晴らしてどこが悪いのでしょうか。そういうガス抜きがないと銃乱射とかすると思うけどな。銃乱射はスクリーンの中で、キアヌに任せておけば良いのです。