浮草

1959年、日本、小津安二郎監督作

旅芝居がやって来た地方の港町、そこには座長の昔の妻と息子が住んでいる。座長は息子に伯父であると偽って会っているが・・・

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映画の冒頭で「山田洋次の映画みたい」と思ったのだけど、これは逆ですね。

小津安二郎と云えば松竹映画だと思うのですが、本作は大映作品です。そのせいか、今まで見てきた小津作品とは少し毛色が違いました。関東の中流家庭のお話が多かったけれど、本作は紀州の港町が舞台で、旅役者という一般家庭とは云えない人達のお話です。でも家族、親子の話であるところは一貫しているところだと思います。
屋外での場面が多いのも他の小津作品とは違うところではないでしょうか。京マチ子中村鴈治郎が雨の中、通りを挟んだ軒下で言い争うシーンはとても美しかったです(予告編にちらっとあります)。それと若尾文子が全編に渡ってこれも美しいです。

古い映画の感想ばかりでなんだか申し訳ない気がするのですが、今はなんだか古い映画の方が身に染みるのです。格闘、カーチェイス、銃撃戦にモンスターと宇宙船が大好きな馬鹿な映画ファンではあるのですが、そういうものよりも古い映画の方がテンポが合うのです。疲れてるのでしょうか。世の中のテンポについていけなくなってるのでしょうか。
明日『JOHN WICK』観に行こうと思ってるんですけど、楽しめるか心配です。

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