GODZILA ゴジラ

2014年、米国、ギャレス・エドワーズ監督

フィリピンでは巨大な生物の痕跡が見つかり、日本では原子力発電所の直下で地震が起こり原子炉が暴走する。そしてムートーと呼ばれる怪物が現れ、やがて引き寄せられるようにゴジラもやってくる。

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ギャレス・エドワーズゴジラ

あまり感心しない出来だった。ドラマパートの方がとっ散らかっている感じがする。
最初に出てきた博士が主人公なのかと思うと彼は序盤になくなり、彼の息子が主人公となる。渡辺謙が演じた日本人の博士もどういう所属でどういう立場で米軍に付き従っているのかいまひとつ分からない。主人公の目的も最初は父のためで、その後の怪獣災害にあってからは家族と再開するのが目的となるが、途中から爆弾処理班としての役目が行動の目的となる。主人公の目的が二転三転するのは分かり難いし良くないと思う。主役は怪獣なのだから人間ドラマの方はもっとシンプルでいいのではないか。群像劇を描きたかったのかも知れないけれど、それなら監督の力量というか脚本の作りが足らなかったのだろう。wikipediaによると脚本は5人体制で監督は脚本に参加していない。誰が悪いのか。そう思うと『ゴジラ−1.0』は単純なお話だったからその点は良かったのかもなどと思ったりする。

巨大怪獣が都市を背景に戦う場面は見応えがあり迫力がある。ドラマパートのフラストレーションを思うと、こういう場面だけ観ていたいと思わせるが、そうなると『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』みたいな映画になってしまうのだろうなとも思う。

『ザ・クリエイター/創造者』でも主人公の目的の不確かさを思った。SF的ビジュアルの斬新さに対して物語の弱さみたいなことを。ギャレス・エドワーズはそういうのを描くのが上手くないのだろうか。しかし『スターウォーズ ローグ・ワン』では群像劇とは言わぬまでもキャラクターがそれぞれ印象的だったから面白かったのだけれど。何れにしても『ザ・クリエイター/創造者』との良くない方向での共通点が少し見えた感じがする映画だった。