マーターズ

2016年、米国、ケヴィン・ゴーツ/マイケル・ゴーツ監督作

ある場所で監禁され虐待を受けていた少女リュシーはそこから脱出して保護施設で暮らすことになった。恐ろしい記憶が元で悪夢に襲われることもあったが親友アンナもできた。
10年後、銃を持ったリュシーは、ある一家を惨殺した後アンナを呼び出す。そしてリュシーは、この家族が自分を虐待した犯人だったと言う。

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オリジナルは2007年に公開されていて、本作はそのリメイクであるらしく、ネットを検索するとオリジナルに比べると劣る作品だという評判のようだ。しかし滅茶苦茶怖かった。

この映画は監禁と虐待という人間の行為で一番狂った恐ろしいものを描いていて、正直言うと胸が悪くなる。しかし、その行為に至る動機が明かされていくと、その狂気こそが恐ろしい。
宗教が全面的に出てくる映画ではないが、死の淵の向こうに何が有るのかという宗教的な問題が描かれていて、そのことに取り憑かれた人たちが恐ろしい。

正直言うと観たことを後悔するくらい恐ろしくて嫌な気分になる映画だった。オリジナルがこれより凄いのなら確認してみるべきだろうけれど、もう一度これを観るのは御免被りたい。今年のホラー祭りでベストというかワースト。本当に怖かった。

自主的夏のホラー映画祭りを開催中でホラーを続けて観ているが、分かったことは、自分はオカルトにはあまり怖さを感じないということ。お化けや霊がどうだという映画にはあまり怖さを感じない。お化けが出てくるのなら何があっても不思議じゃないのだから。それよりも怖いのはやはり人間で、狂った人間の方が段違いで怖い。特に自分たちが正しいと信じ込んでいる人間の狂気ほど怖いものはない。現実でもそういう人は沢山いるから。