インキーパーズ

2011年、米国、タイ・ウェスト監督作

数週間後に廃業予定のホテルは幽霊が出ると噂のホテルだった。
従業員の男と女は、片手間でホテルの業務を続けながら幽霊の痕跡を記録しようとしていた。そこへ有名女優だった女が宿泊するが、彼女は今は霊媒師なのだという。そして地下室には絶対立ち寄るなと警告するのだった。

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夏の自主的ホラー祭り継続中。『X』、『サクラメント 死の楽園』に続いてタイ・ウェスト監督作を観てみる。
食人族の傑作映画『グリーンインフェルノ』のイーライ・ロス監督がこの映画を絶賛したということらしいけれど、はたしてそれほどのものだろうか。140分ほどの映画だけれど前半30分ほどはお化けも登場せず、ただ不穏な雰囲気のホテルがあるというだけでしかない。画面も妙に明るいし、二人のホテル従業員もなんだか軽妙であまり怖くない。そして、お化けが出そうなホテルでお化けが出ました、というお話で、物語にもあまり捻りや伏線がなく、面白かったとは言えない感じだった。

ただ少し良いなと思ったのは、ホテル従業員の二人がお化けの痕跡をなんとか記録しようとする場面。学生が無益なことを一生懸命やって時間を無駄に費やすという夏休み感があって、そういうところが妙に良かった。生活感がなくて、そんなことをしてどうなるのかといったことに地道をあげている、無駄な努力と無駄な時間がだらだらと過ぎていく日々というのは夏休み感があってよろしい。夏の映画ではなかったけれど。

まあ、お化けが出てくるところはびっくりするので、それはそれでいいんじゃないでしょうか。