ロスト・リバー

2014年、米国、ライアン・ゴズリング監督作

廃墟の点在する街に暮らす家族。長男は廃墟の中から銅を拾って売っている。弟は幼い。母親は家のローンが払えない悩みを抱えている。街の一部はダム湖にに沈んでいる。

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よく分からない。物語はあるが、何を物語っているのか分からない。少年は銅を探して廃墟をうろつくが、チンピラが銅の収集を押さえていて彼と対立し追われる。母親は家のローンが払えないことから怪しげなナイトクラブで働くことになる。少年の友達である少女の元には過去に囚われ物言うこともしない老婆が住んでいる。そんな登場人物たちが行動し何らかの出来事が起こるけれど、それが物語としてのカタルシスには至らない。なぜそうなるのかがよく分からないから。

でも映像美が半端ではなく、その映像美の大半は廃墟美で、その部分はとても美しい。実験映画のように意味が分からないけれど美は充満しているような映画で、分からないけれど記憶に残るような映画になっている。

監督はいわずと知れた映画スターのライアン・ゴズリングで、こんなハリウッドスターがこんな実験的な映画を作るのかという驚きがあった。この映画は彼の初監督作品なので習作のような位置づけになるんじゃないだろうか。次回作ではもの凄いものを作ってくれそうな気がする。

退廃的で意味が不明瞭だけれど、廃墟美にあふれた映画。そんな印象です。

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