モナドの領域/筒井康隆 著

河川敷で若い女性の腕が発見された。ほどなく近隣のベーカリーでアルバイトの美大生が精巧な腕形のバゲットを作り、店の常連の美大教授が新聞のコラムで取り上げ、評判を呼ぶ。次に教授は公園で人を集め、その全知全能を示し始める。自らを神の上の「無限の存在である創造主」だという教授の真意とは。そして、バラバラ殺人の真相は? 天才筒井康隆がその叡智の限りを注ぎ込んだ歴史的傑作。

 

筒井康隆の最後の長編といわれるもの。でも筒井康隆だからなあ。最後かどうかは分からない。まあ結構なお歳だとは思うけれど。
最高傑作というのもどうかなあ。神様が憑依した人物が登場して、そこで起きるドタバタという感じで、深いテーマはあるだろうけれどドタバタに終止したという感じのような気がする。
ただ、話の展開には筒井康隆っぽさがあって、ああ今、筒井作品を読んでいるのだなあという感慨はある。何がどうということでもないけれど、筒井康隆っぽい。
筒井康隆は、今はどこかで自伝を連載中なのかな。それが出たらまた読んでみたい気もする。