ジョン・ウィック:パラベラム

2019年、米国、チャド・スタエルスキ監督作

凄腕の殺し屋ジョン・ウィックは組織のルールを破ったことから追われる身になる。

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全編画面が美しいです。雨のニューヨーク、モロッコカサブランカ、そして砂漠、全ての景色が色彩鮮やかで見とれてしまいます。その中で超絶ガンアクションが繰り広げられる爽快感。

1作目の共同監督であるデヴィッド・リーチ監督作のシャーリーズ・セロンが女スパイを演じた『アトミック・ブロンド』もそうだったけれど、妙に街の景色が美しくて、両監督はアクションを撮ることと共に映像としての美しさも目指している感じがします。

ニューヨークの市内をキアヌ・リーブスが馬に乗って逃げ回るシーンはアクション映画の痛快さと都会の中を馬が駆けるという非現実感が混濁して一番素敵なシーンでした。

本作はジョン・ウィックシリーズの3作目ですが映画が始まってすぐに2作目を見ていないことに気付きました。予習不足。多分予告編とか見過ぎて観た気になってただけだと思います。

LENINGRAD BLUEES MACHINE/Leningrad Blues Machine

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レニングラード・ブルース・マシーンは関西のロックバンド。最初期のボアダムズにいた田畑満さんがギターで参加してるバンドで、田畑氏については、Acid Mothers Templeという凄いバンドにいる凄い人という認識ですが、そのバイオグラフィについてはDOMMUNEによる以下が詳しいです。

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このアルバムは87年から88年に録音された音源で、もう30年近く前の音楽になるけれど今聴いてもめちゃ格好良い。デザートロック的な味わいもあるし上田正樹的な関西ブルースの香りもあるしサイケデリックロックな酩酊感もある。ジャンル分けするのは無用なロックンロール。

しかしこのバンド名、格好良くないですか?俺は最高に格好良いと思う。昔『レニングラードカウボーイズ』ってロシア製(?)の喜劇映画があったけれど、そういう笑いに逃げない格好良さがあると思うんだけど。だってレニングラードでブルースですよ?最強だと思うけど。自分の中で格好良いバンド名のベスト10に入る。

ロックというものには高低、優劣というものはないわけで、自分が聴いて最高だと思えばそれが聖典であって、認定機関がハンコを押したか押してないか、評論家が何と言おうが関係ないわけです。自己責任です。しかしそういう審美眼は必要ですよね。公認や広告宣伝にのせられるなよって話。

たぶん、日本のロックの正史というものがあったならLBMには一ミリも触れないでしょう。お金を生んだあの人やこのバンドが年表には載るのでしょう。そうやって埋もれてしまうのは勿体ないけれど、中央で活動している人たちしか歴史を編纂している中央の人の視界には入らないから。仕方ない。
しかしインターネットの片隅には、こんなバンドのいたことが記録されていいはず。いや残ってないと。だから書いてる。はてなが倒産するか俺が嫌になってブログごと削除するまではこのデータが残ってるはずだから。そうすれば、中古盤屋でLBMの盤を手にとって、この盤を買うべきかどうかスマホで検索してみようと思ったキッズに指針を与えることができるはず。
だから伝えたい。今そこの君!LBMのCDを手に取って買おうかどうか迷ってるあなた!買うべき!格好良いから!最高のロックンロールだから!

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ダンス ウィズ ミー

2019年、日本、矢口史靖監督作

遊園地で、姪が「ミュージカルが上手になりたい」と催眠術をかけてもらうが、その横で付き添っていた主人公がかけられてしまい、会社でレストランで音楽が鳴ると歌とダンスが止まらなくなり大失態を続ける。かくなる上は、あの時の催眠術師を探しだして催眠を解いてもらうしかないと催眠術師のサクラを演じていた女性と共に彼を追う旅を始める。

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主人公の三吉彩花が美しい。彼女が画面に出ているのをずっと見ていたいくらい。最初は一流企業のOLでちょっと高飛車なところがあるけれど、サクラのやしろ優と催眠術師を車で追ううちに庶民的な女性の地が出てくる。が、もうとにかく美しいので何をやっても許される、というか、素敵。
そして主人公と催眠術師を追う旅に同行するのが、やしろ優。駄目人間っぷりが愛らしい。ボロいダイハツのoptiという軽自動車に乗って北海道まで催眠術師を追い掛けるのだが、その車のダッシュボードはごみだらけで、彼女の性格を端的に表していると思う。
催眠術師の宝田明は流石の感じで、胡散臭くて借金まみれで、それでいて実は腕前があるというところが妙に味がある。
俳優陣がばっちりはまってる感じがあってずっと楽しい。

物語の運びは、そこでそうなる?みたいなところは沢山あるけれど、音楽劇で喜劇なので全部OK。細かいことは言いっこなしと思わせる力があると思う。
矢口監督の劇場第一作である『裸足のピクニック』は少女が次から次にトラブルに巻き込まれるという喜劇映画だったけれど、あの映画も結構滅茶苦茶な映画だった。でもその滅茶苦茶具合が面白くて成立してた覚えがある。
本作は滅茶苦茶とは言わないけれど、漫画やん、と思わせるところはあって、でもミュージカルなんてファンタジーみたいなもんだからこれでいいのだと納得させる力がある。

途中からは催眠術師の公演を二人が追うというロードムービーになっていて旅情もあるのです。本州から札幌への青函連絡船が岸壁を離れる場面がとても印象的だった。

でもですね、やっぱり、この映画は三吉彩花の映画だと思う。彼女がスクリーンの中で躍動しているのを愛でる映画だと思う。こういう気持ち良く楽しい映画を観るとしばらく気分が良くて映画ってそういう効用があると思うんです。