はじまりのうた

2013年、米国、ジョン・カーニー監督作

新進気鋭のシンガーである恋人と共に曲を作っていた女性は、彼の浮気により全てを失う。失意の中、友人の売れないミュージシャンの男の元に転がり込むが、バーでの彼の演奏の途中に気乗りしないままステージに引っ張りだされて一曲歌うはめになる。そこに居た、落ち目のプロデューサーは彼女の才能を見抜き、レコーディングしようと持ちかける。
だが二人には音楽製作にかけるお金がないことから路上で曲の録音を始めることになる。

www.youtube.com

『シング・ストリート』の監督が撮ったひとつ前の映画。『シング・ストリート』でもそうだったけれど基本的に良い人しか出て来ないお話で気分良く観られる。

主人公の恋人と別れた音楽家を演じるのはキーラ・ナイトレイ。この女優さんを初めて見たのは英国映画の『ラブ・アクチュアリー』だったと思う。本当に美形。ずっと観てられる。

売れないプロデューサーの娘はトランスフォーマー・シリーズの『バンブルビー』に主演していたヘイリー・スタインフェルド。父親との関係や学校でうまくいっていないことが音楽によって解消され成長するさまを演じている。なぜか存在感がある。。

若い女性の恋愛と失恋とその後どう行動するかというお話でもあり、年頃の娘と父親との話でもあり、不仲の夫婦の話でもあり、中年男が若い女性に恋心を抱く映画でもある。色んな立場の人間の色んな感情を描いていて、どんな人が観ても誰かに感情移入できるのではないかと思う。

ニューヨークを舞台にした映画なのに街がとても綺麗。路上やビルの屋上などでバンドの演奏と録音する場面がとても楽しそうに見える。そしてどの街角も美しい。
以前に他の映画でも感じたが、米国人以外の監督が撮るとアメリカの景色はとても美しく見える。ちなみに本作の監督はアイルランド出身。

映画が終わったと思いエンドロールが始まってから物語のオチとも言える展開が始まる。とても小気味よいオチだったと思う。