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知的生き方教室/中原昌也 著

知的生き方教室

知的生き方教室

 

読了。 


何も有益なことは書かれていない。
茫漠とした情景や虚ろな行動が淡々と描かれる。下地に悪意や敵意があり、珠に常識的な言 説で中和し、ごく稀に綺麗事を挿入する。人物たちは無目的に登場し、そして何も起きない。かと思うと自然公園での殺戮劇が発生するが、そんなものより電柱 の陰でコンビニおにぎりを食すデブの方が気になる。不穏なURLが示され未解決事件に関連したものだと分かり陰惨な気持ちになる。誰からも愛され尊敬され るような人物を引っ張り出して批判するでもなく貶めるでもなくただ問いかける。作品タイトルが思い出したように時折顔を出すが何も共通点はない。それが何 なのかも不明。共通した人物が出てくるが出てこない個所もある。長編だが一つの物語が描かれるわけでもない。長編なのかどうかも定かでない。それぞれの章 で完結しているのかと云われれば放ったらかしである。知事や首相を憎んでいる。経済的成功者も憎んでいる。意味もなく太字になる。詩が記述される。何度も 同じ文章群が繰り返される。美しい景色は描かれない。残虐な情景も皆無。美しい心もない。憎しみは多分にある。

ホラー映画に差し挟まれた、なぜそんな場面 を撮影したのか監督さえも分からないような全く不要で不可解なシーンたちを世界中のクズみたいな映画から拾い集めて、それらを巧妙な編集で繋げて見せられ るような酩酊感と馬鹿らしさと虚脱感が襲う。何もかも無駄である。何もかも徒労である。ただ投げやりな行動が描写される。ただ投げやりな景色が続く。

クスクス笑いながら読んでいればいいと思う。
ずっとこの無駄な時間が続けばいいのにと思うが本には終わりがある。