2023年、米国、ジャン=フランソワ・リシェ監督作
シンガポールからハワイへ飛ぶ旅客機は14人の客を乗せて飛び立ったが、その中には殺人犯の護送も含まれていた。フィリピン上空で悪天候により飛行機はコントロールを失い島に着陸するが、そこは武装した反政府勢力の支配する島だった。機長と殺人犯が助けを呼びに行っている間に乗客たちは武装勢力によって拉致されてしまう。機長は乗客たちを助け、島から再び脱出しようとする。原題は『PLANE』。
2時間弱のコンパクトな航空パニック・アクション映画。とてもよく出来ている。悪天候に遭遇したのも燃料代をケチった会社の方針のせいだったり、殺人犯にも仕方ない事情があったりと小さな理由や動機が整合性を保っている。一部、それはちょっと都合良すぎるんじゃないかという展開があるにはあるけれど、よくできている部分の方が目立ってそちらの評価の方が高く気にならない。どの場面も次の展開にはらはらするが、少しずつ期待を裏切っていく展開も面白い。ハッピーエンドも心地良いし。娯楽作の見本のような映画だった。