ウインド・リバー

2017年、米国、テイラー・シェリダン監督作

家畜を襲う害獣を始末する為に雪山に入ったハンターの男は、雪原で女の凍死体を発見する。捜査の為にFBIがただ一人やって来るが、検死の結果から増援は期待できず、ハンたーの男へ捜査に協力するよう求める。なぜ死体は裸足だったのか、どこから来たのか、ネイティブ・アメリカン居留地ウインド・リバーで起こった犯罪の捜査が進められる。

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監督は、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『ボーダーライン』の脚本家であるらしい。その通りに、無慈悲で乾いた映画になっている。

雪景色という言葉や、そこから想像する光景は美麗なものだという先入観があるが、雪国の人から言わせると、冬には毎年やってくるお馴染みのものであって、雪が降ることによって様々な仕事も増えるので決して喜ばしいものでもないし風情のあるものでもないと聞かされたことがある。

この映画で描かれる雪原や雪の山は、映像として観ればとても美しいけれど、過酷な自然であると共にアメリカの辺境の土地だということが示されている。
被害者の死因は、手足の凍傷と肺が凍ってしまった為だとされ、それゆえに殺人事件としての捜査ができず、FBIの増援もかなわないこととなる。広大な土地を僅かな警官で担当していることも明かされる。
ネイティブ・アメリカンが追いやられた自然の厳しい土地であることと、行政による治安が行き届いていない場所だということが表現されている。

などと思いながらスルスルと見終えたけれど、何かが気になって色々とネットを見ていると色々な知見を得た。

アメリカにおけるネイティブ・アメリカン居留地の行政的位置付け、農業や産業が振興しない理由、そして麻薬やアルコールにおぼれる人が生まれる構造。
そのような知識を持ってこの映画を観ていればもっと意義深く観られたかも知れない。

映画を観るのに常識や知識があると見えるものが違ってくる。でも映画を観る事によって疑問が生まれて知識を得ることになるのもありだと思います。