ブルー・マインド

2017年、スイス、リーザ・ブリュールマン監督作

両親の都合で転校した少女は新しい学校に馴染めずにいたが、やがて不良少女たちと関わるようになる。一方で彼女の体には奇妙な異変が起きるようになる。

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ホラー映画という触れ込みだけれど、観客を怖がらせようという意図はあまり感じられず、日常がファンタジーに転移するようなお話だった。
主題となるのは、普通の少女が不良に染まっていく話ではあるけれど、ただ単純にそれだけでもない。監督は女性で脚本も手がけていて、十代の女性の不安定な心理を描いている青春映画と言ってもいいような作りの映画だった。
ホラー要素としては主人公の体が異様に変化していく(化物になっていく)というところだけれど、なぜそうなったのか、なぜそうなるのかといった原因は描かれない。ホラー映画でなければ、そこが説明されないのは納得がいかない、ということになるだろうが、なぜかホラーという括りにしてしまえば許せてしまうのが不思議なところだと思う。

ホラー映画って今まで食わず嫌いであまり観なかったけれど色んな映画があるのだなと思った。『IT FOLLOWS』のような無闇に恐ろしい映画もあるし、『キャビン』のような娯楽に振り切った映画もあって、本作のように暗い青春映画のようなものもある。なんでも知らないまま遠ざけているよりは体験して観た方がよいのだなと思う。