社会的共通資本/宇沢弘文 著
社会的共通資本とは、社会、経済を安定的に維持する社会的装置で、これらを農業、都市、教育、金融制度、地球環境の分類で語る書。
経済の本が読みたいと思って手に取った一冊だったけれど自分には少し難し過ぎた。朝夕の電車の中でちょこちょこと細切れに読んでしまったのも良くなかった。どちらにしても経済の本をスラスラと読めるほどに用語や知識というものを持ち合せていないということだと思う。
経済学というものにずっと関心がなかったのだけれど、最近になって勉強したいという気持ちがふつふつと湧いてきた。
ひとつは、経済のニュースに対して学者やコメンテーターが色々なことを仰るが、誰の意見も尤もに聞こえる。それらが正しいのか頓珍漢なのか基礎知識がないので判別がつかない。そういうものを見極める能力として経済学の知識が役に立つのではと思うようになったこと。
それと、改造に改造を重ねた制御盤も一本一本の配線を辿って図面に起こせば何がどうなっているかは分かる。その労力が結果に見合うかどうかは別にして。
同じように経済もお金の流れを知ってシステムの仕組みを解明していくことで理解できるようになるだろう。でも制御盤を解明するには電気の知識が必要なように経済を理解していくためには経済学の知識が必要な気がする。
即物的な株や外国為替といったものではなく、人間が長い時間かけて作ったシステムである経済というものを知りたいという気持ちになってきている。良い入門書はないものか。