アリータ:バトル・エンジェル

2019年、米国、ロバート・ロドリゲス監督作

26世紀、300年前に大きな戦争があった世界では、空中に浮遊する都市ザレムと地上に暮らす人々がいた。ザレムから廃棄されたゴミの中から身体の機械化に使えそうな部品を探していた医者は、まだ生きているサイボーグ化された少女をみつけだした。しかし彼女は先の大戦に従軍した戦闘兵器だった。
ジェームズ・キャメロン製作、木城ゆきと原作、日本の漫画がハリウッドで映画化されたSF映画作品。

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原作は読んでないんです。なんとなく絵柄は知っているけれど原作の本質がどういうところにあるのかは知らないのです。
で、映画を観てどうだったかというと、結構身近な話なんじゃないかなと思いました。

人間が体の各部を義手や義足といった段階より何歩も進んで体を機械化しているという設定の世界で、クリストフ・ヴァルツが演じる医者は、庶民の体を採算度外視で修理しているような良い人です。そして、アリータを拾ってきて修復し、娘のように庇護します。彼女にアリータと名付けるのも医者の亡くなった娘の名前からでした。
その後の展開では、アリータは自分を修理して復活させてくれたことに対して医者に感謝はあるものの、自分が何者であるかを知りたいという動機から行動しようとしますが、危ないことをさせたいくないという医者にアリータが反発したり、それでもアリータのやることを手助けしたりします。
一方、医者に機械の部品を提供する若者がいて、彼はアリータを若者たちのグループに受け入れさせたりして良い青年ではあるものの、裏では体の部品を得るために機械化された人を襲って部品を強盗していたりします。でも彼にアリータは惹かれてしまうのです。

これって最初の方は、十代の娘に手を焼くお父さんの話で、後者は不良に惹かれてしまうティーンエイジャーの女子の話だなあと思いました。SF映画の皮をかぶった父娘の関係のお話。原作もこんな話なのだろうか。それともアメリカ映画だからこうなってるのだろうか。脚本のキャメロンが娘と関係がうまくいっていないからそれが投影されたみたいなことだったりしないだろうか。

SF的風呂敷は大々的に広げていてアクションシーンも凄い迫力があった。続編があるのだろうラストでしたが、次作でもファミリードラマ的なことをやるのか、それが正解なのかは分からないのです。