復讐するは我にあり

1979年、日本、今村昌平監督作

九州で強盗殺人事件を起こしたことを切っ掛けに、各地で詐欺、強盗殺人を犯しながら日本列島を縦断して逃亡した凶悪犯を描く、実際の事件を基にした物語。
原作は佐木隆三の同名小説。

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映画の登場人物というのは場面毎に登場人物の心情があって、その心情が場面の中で起こる出来事で振れて、次の場面ではその振れた心が又何かしらの出来事で振れる、という風に場面を積み重ねることによってその心の動きを描いている。なので、それが連続していないと「なんで急にこんな行動をとるの?」といった疑問符が湧いてしまって物語が腑に落ちないという風になってしまう。
本作の主人公である犯人は、唐突に殺人に及ぶ。そこには殺人に至る心の動きなんてものはない。これは心の動きを連続して描いていないわけではなくて、心の動きが全く予測できない殺人鬼の心の動きこそが恐ろしいということを描いていると思う。圧倒的な悪は人間が想像するような心を持っていないということを十二分に描いていると思います。

あの頃映画 「復讐するは我にあり」 [DVD]

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