東京殴り込みライヴ/河内音頭 三音会オールスターズ

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河内音頭の実況録音盤、1983(?)、LPレコード

民族音楽を色々と聴いているので、日本のものをと思って。
リンク先では静岡出身の評者(野田努さん)が河内音頭を発見したという感じに仰っています。この「発見した」という感覚は以前は好きじゃなかった。
インディーのバンドがメジャーに発見される、地方で活動していた人間が東京に発見される、地道にやってた人間がメディアに発見される。発見されるまえから 居たし、あなた達が気付いただけだろう、と思ってた。発見する側が中心で、発見される側は外縁だという意識を感じていた。
でも、色々知らない音楽を聴くと自分にとって気付きがある。知らなかった側からすればやっぱりそれは発見としか言えない。自分も発見する側でいることはある。

子供の頃は盆踊りが町内であって櫓の上で和装の歌い手が歌っていた。楽器の伴奏ではなくてテープ伴奏だったと思う。でも、特に好きだとか良いとも思わなかった。子供は夜店やなんかの方が楽しいから。
今、河内音頭を聴くと凄くファンキー。ちょっとやんちゃで、ごつくて重いものが芯にあるけど跳ねた感じで軽やかに振る舞っている感じ。以前に久保田麻琴阿波踊りを紹介した『ぞめき』というシリーズのCDを聴いた時にも思ったけど、日本の音頭は凄くファンキー。ダンスミュージックだからなんだろうか。十代 の自分が聴いても思わなかっただろうけど、今聴くと河内音頭の中にファンクが感じられる。河内音頭を知らなかったわけではないけれど、こういうのはやっぱ り発見だと思う。

FUNKYを日本語で表現しようと思っても表現しきれない。それはその感覚とか感触を日本語が作り出さなかったから語 彙がないわけだけど、そんな感 覚が日本人になかったのかと言えばそうじゃない。音頭の中にFUNKYが感じられるんだから、同じ感覚は持ってたはず。言葉が輸入される前から日本人の中 にずっとあったのだと思う。

ジャケットが素晴らしいのでリンク先から借りました。