音楽が好きな以外はダメダメな高校三年生の女の子のお話。
- 作者: 津村 記久子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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主人公の高校生活が描かれ、その中に彼女の音楽との接し方が描かれる。音楽は実 生活の課題を解決するのには何も役には立たないけれど、それでも音楽を聴くという、当たり前と云えば当たり前な姿勢がとても心地よい。音楽家でない普通の 人にとって音楽は娯楽や趣味のひとつでしかないけれど、それでも大事な何かだという音楽との接し方にとても共感を覚える。
この前に読んだ山田詠美の『ぼくは勉強ができない』は作者の主張が強烈に披歴されていて自分には過剰だったけど、本作はとても穏やか。小説を読むことは作家の人柄みたいなものを読んでるような気もする。
まだ数冊しか読んでないけど、津村紀久子作品にハズレなし。