サマータイムマシンブルース

2005年、日本、本広克行監督

大学SF研究部の面々が、部室にある壊れたクーラーのリモコンをタイムマシンに乗って昨日に取りに行く話。

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くだらない。心底くだらない。でもそれが良い。

仁義なき戦い』シリーズとか観過ぎてちょっと疲れた。映画館に行って観たのも『Fukushima50』とかでちょっと軽い映画が観たかった。そう思って観たけれど軽すぎる。でも良かったです。
大学生の夏休みの話だけれど登場人物たちは何も生産的なことはしていなくて何も青春を謳歌するようなこともしていない。ひと夏の想い出的なことも何もない。何もないけれどお話は滅茶苦茶練り込まれていてタイムトラベルに次ぐタイムトラベルという展開を見事に辻褄が合うように作り上げてる。何もない話を滅茶苦茶丁寧に作ってる。
でもこれ元は舞台らしいですね。京都のヨーロッパ企画のお芝居が原作みたい。それをうまく映画化したってことだろうな。しかし舞台でこの展開をどうやって表現したのだろうか。そっちの方が凄いと思うけれど。
15年前の映画ということで出演者が若い。瑛太ムロツヨシ上野樹里真木よう子錚々たる顔ぶれだけれどみんな無邪気な大学生を演じていてそれが似合ってる。なんかそれだけで微笑ましい。
何にも残らない映画のような気がするけど観ている間楽しかった。大学生の無為な夏休み
の一日って感じが逆にさわやかというか。何も主張していなくてただ楽しいっていう、こういう映画って逆に貴重ではないだろうか。