ハンターキラー 潜航せよ

2019年、米国、ドノヴァン・マーシュ監督作

ロシア近海で米国の潜水艦が行方不明になり、救命艇を装備した攻撃型潜水艦が調査に向かった。しかしロシアでは国防大臣が大統領を幽閉しクーデターの真只中だった。

www.youtube.comいわゆる潜水艦ものというやつですね。潜水艦ものというとショーン・コネリーの『レッドオクトーバーを追え』とかデンゼル・ワシントンジーン・ハックマンの『クリムゾン・タイド』とかあって、どれも面白かった印象が残ってる。
潜水艦の映画は、暗く狭苦しい艦内での圧迫感が描かれて、それが潜水艦同士の目に見えない戦闘の緊張感を増幅させて面白さに繋がってる感じがします。

でも本作はそういう潜水艦同士の戦闘はあまりないのです。というか盛り沢山にしようとして逆に緊張感がないの。
米国の潜水艦がロシア領海、軍港に侵入していくくだりは面白いのだけれど、平行して特殊部隊の4人が陸から拉致されたロシア大統領を救出するという展開も描かれる。こっちの方がとんとん拍子過ぎてちょっと拍子抜けするのです。もしも自分が中学生くらいだったら楽しめたと思うけれどもう随分大人なのでちょっとね。でも「ご都合主義過ぎるやろ」と思いつつも「娯楽作品なんだから固いこと言うな」という気持ちが両方自分の中にあって素直に楽しめなかったけれどあまりくさす気にもなれない、そんな気分です。

潜水艦の艦橋のセットは素晴らしくてやっぱりアメリカ映画って凄いなと思います。急速潜航する為に艦が前傾する場面では、乗員が床に対して斜めに立っているという場面があって、セットを傾けて撮影しているらしいです。こういう大掛かりなことなのに何気ない一場面にしてしまうところが偉いです。