ファースト・マン

2019年、米国、デイミアン・チャゼル監督作品

アポロ11号で人類として初めて月面に降り立った人、ニール・アームストロングの半生を描く映画。

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なんだかもやもやとした感じが残った映画だった。つまらなかったわけではないけれど、もの凄く面白かったとも言えない感じでした。
チャゼル監督は『セッション』『ラ・ラ・ランド』と前2作が音楽映画で、初監督作も音楽映画であったらしい。なので、音楽映画以外をどのように撮るのかと期待して観に行ったのです。

映画の中でアームストロングが経験する試験飛行、宇宙空間で行われる宇宙船同士のドッキング実験、そしてアポロ11号の月面着陸、それらの場面はとても良かった。宇宙船の中の狭くて息苦しい空間が閉塞感と不安感を醸し出してどの場面にも緊張感があり、そして月面の荒涼とした広がりが対比的で目標に到達した感じが如何にもあった。
でもアームストロングが家族や同僚と地上で過ごす場面があまりにも淡々としていて、退屈といっても良かった。

前2作では登場人物たちに劇的な感情の起伏があって、観客にはそれが分かり易かったのだけれど、今回はそういう激しい感情を抑えたドラマで静かに進行する感じ。それはそれでチャゼル監督の試みだったのかもしれないけれど。

月面着陸場面での壮大さと無常感がとても素晴らしかったので、なんとも歯がゆい感じがする映画でした。