The young persons' guide to modular synthesis 1/V.A.

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京都のレコード店へ随分久しぶりに行くと、店の売り場は縮小していてなんだか少し淋しい気持ちになった。こうなるのも、あまり買いに行かない自分みたいな人間のせいなのだとも思った。
しかし、レコードやCD、カセットが並ぶ棚を見ていると欲しいものが山のようにある。あれも聴きたいこれも聴いてみたいと思ったが、モジュラーシンセだけで作られた電子音楽であるというPOPに魅かれてこのCDを購入してみた。というか久しぶりにCDを買った。

モジュラーシンセというのはシンセサイザーの機能がモジュール化されており、色んなモジュールを持って来て繋げて音を出すというシンセサイザーで、最近ちょっと流行している模様です。こんなやつ

www.youtube.comとても面白そうだと思っているのだけれど、色々なモジュールを買い足していくということになるともの凄くお金がかかりそうなので絶対欲しくなったらあかんやつです。しかし、この、無数のつまみとケーブルというビジュアルを見ていると男子なら欲しくなるのは仕方ないのではないだろうか。パネルに謎のスイッチが沢山ついてるのって恐らく地球防衛軍の基地みたいに見えるからではないか。幼児体験で植え付けられてるんだと思う。

CDを聴いていると、それがモジュラーシンセで奏でられていると思うだけでワクワクする。こんな演奏ができるのか、こんな浮遊感のある音色がでるのか、みたいな面白さがある。電子音というのは電子音の振る舞い、というか電子音らしい音色というものがあるので、そういうのが好きだからとても心地良い。
なぜ電子音が好きなのか考えても、好きなものに理由はないような気がするが、機械を通して音楽を奏でるという一回クッション、というかフィルターを挟んでいるのがいいのかも知れない。楽器から出てくる音は機械の音だけれど、演奏しているのは人間であって、演奏する操作するというフィルターを通して演奏者の人柄が出るというか。車でも運転すると荒かったり慎重だったりする人柄がでるような。デトロイト・テクノなどは機械を通してブラックミュージックのソウルが滲んでいるのが良かったはずだし。でもロックンロールだって激情をぶつけているようでも一回楽器を通しているのだしな。音楽というのは元々そういうものか。しかし絵を描くのも絵筆を通して頭の中のビジュアルを再現しているのだからみな同じか。

裏ジャケットには各曲に使用されているモジュラーシンセの機種がずらりと書いてある。これを頼りにどんな機種なのか検索してみたりすると欲しくなるので絶対調べたらあかんやつ。