複製された男

2014年、カナダ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。

歴史を教える平凡な教師の男が自分と瓜二つの俳優を見つけてしまう。教師の男には恋人がいる。俳優には妊娠中の妻がいる。俳優は教師の男の恋人を抱かせろと迫る。

www.youtube.comよく分からない映画だった。タイトルからてっきりSF映画だと思っていた。その映像がウルトラセブンの『第三惑星の恐怖』のような不穏なムードを醸し出していて、結末はどうなるのだろうと思って見ていたけれど結局わけが分からなかった。

ネットで色んな感想文や解説を読むと、この映画は男の浮気願望みたいな話であるということらしい。まったくもってがっかりした。生真面目な男と奔放な男の二人が居たわけではなく、一人の男の中にそういう人格があったということらしい。妻がいるけれど不倫願望があるという男の二面性を描いたものらしい。がっかりだ。

不倫というものにまったく共感することができない。理由は分かっていて、俺の従姉妹は旦那の不倫を苦にして自殺したのだ。だから不倫を仕方のないものだとか愛だとか恋だとか言って擁護する気持ちに全くなれない。
自由で奔放な人間に憧れはするけれどこの点だけは許容できない。だって確実に身近な人間を傷つけるから。恋愛というものは電撃的なもので自分を抑えきれないものだと言う人もいるけれどそんな物言いで不倫を美化して欲しくない。

薬物中毒やアルコール中毒のような自分を制御できない人間の弱さには共感するところがあるけれど、不倫はノン。だって要は性欲でしょ? 性欲も人によって大小はあると思いますよ。制御できないほどの過多な性欲を抱えている人もいるんでしょうよ。でもノン。オナニーすればいいやん。自分で解決できるやん。オナってシコってカラカラになっても愛とか恋とか言えるのなら言えばいいよ。でも不倫はノン。