この世界の在り方@芦屋市立美術博物館

芦屋市立美術博物館で『この世界の在り方』という展覧会を観てきました。

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あまり内容を知らずに観に行ったのですが、現代美術というやつですね。
1Fホールには床一面に同心円状に並べられた黄色い貝が並べられていて「なんじゃこれは」と思ったらそれも作品なのだそうです。他にも真っ暗の展示室で物音と抽象的な映像が流れる展示やガラスに落ちる雨粒の様子が延々と流れる映像作品など「なんじゃこれは」の連続でした。

現代美術が好きってわけでもないのですが、わけの分からんものは好きです。美術に詳しい人からすればそこに意味や技巧を読みとれるのかも知れないけれど、そういうのは素人には分からない。しかし作品を見てなんだか心地良い、なぜだか面白いと思えるものもあって、それは作者が巧妙に感性に訴えかけるように作り上げているということなのでしょう。美術作品を見るのに知識はあった方が良いだろうけど、感受性だけで判断するのもありだと思ってるので。

それとわけの分からなさというのは言語化できないってことなので、何も感じていないわけじゃない。意味は読みとれないけれど、何かしらの不思議な感覚は心の中に湧き起こってる。言葉で表現できるなら文章で表現すればいいのであって、文章では伝えられない情感を伝えることに文章以外の表現は意味がある。楽しいでも美しいでも心地良いでもない何かしらの感覚が湧きおこればそれで作品の存在価値はある。その感覚が好きかどうかは別の話だけど。無意味でも良いものはある。

一番面白いと思ったのは、A4くらいの紙にただ文章が書いてあるだけの展示でした。手書きの日本語で、なんてことない文章なのだけど、文章を考えた人と字を書いた人は違うということが書いてあります。手書きって文章と共にその文字を見て書いた人柄を想像するんですよね。でも文章が示す意味から連想する人柄とその文字が表す人柄は違うということが分かるだけで奇妙な違和感がありました。なんでこんなこと考えるんでしょうね。でもその変な感じが面白いです。

 

 

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