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黒狼臥室那卡西/YINGFAN

音楽

英語タイトルは『YINGFAN'S BLACKWOLF NAGASHI IN BEDROOM』

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Yingfan - Yingfan's Blackwolf Nagashi In Bedroom (CD, Album) at Discogs

レコード店でノイズの棚に置いてあったと思うのだけれど、聴いてみるとノイズではない。低級8bitテクノ、無気力ラップ、劣化テクノポップ、脱力中華歌謡、怪しげな民族音楽調、のような音楽である。『KARAOKE CEMENTERY』と題されたDISK2にはNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」や、中島愛の「星間飛行」などの脱力カバーが密封されている。
ライナーには手書き文字でびっしりと中国語で何かが書かれているが全く分かるはずもなく、調べてみると台湾のスカム系のアーティストらしい。スカムという言葉がでてきた時点で納得。帯には『鬼畜宅録二十年首張完美失敗作』とあってよく分かる。

 

スカムって物凄い領域の広いジャンルだと思うんだけどどうでしょうか。ぐだぐだ感という言葉がその本質を一番表しているとは思うのですが、それでも言葉を重ねるなら、へたくそを超越した音楽、音楽のあらゆる間違った可能性に派生したもの、完成度に背を向けたもの、完成したものが未熟なもの、剥き出しの低級、小奇麗でない魂の叫び、熱意以外に何もない、どんなに言葉を連ねても言い表せない気がする。
スカム的なものは、ガレージ・パンクのだめだめなロックにもその要素はあるし、ノイズ・ミュージックにもある。中原昌也のノイズはそれがよく出てると思う。もっと言うなら電気グルーブにもスカム要素は含まれていると思う。分からない人には絶対分からないが、だめな物を愛しく思う気持ちがある人にはもの凄く低い確率でヒットするんじゃないかと思う。

DISK2に封入されたボーカロイド「みくみくにしてあげる」のカバーのどうしようもなさが素敵です。

 

スカム・ミュージックについては、山本精一氏のこの論考など参照されては如何でしょうか。

瞬間と永遠