2002年、米国、 マイケル・ムーア監督作
1999年に米国のコロンバイン高校で生徒が起こした無差別射殺事件をもとに、アメリカの銃社会による弊害に切り込むドキュメンタリー映画。
映画の軸は銃社会の問題点についてだが、戦争、人種差別、貧困、マスコミ等々米国に潜む色んな問題を描いている。結論があって、その目的に沿った発言、場面を切り取っているという演出はあると思って見るわけだけれど、それでも興味深い。
アメリカのことって映画やドラマでそれなりに見聞きするので知っているような気持ちになっているけれど、それは映画の世界なので本当の日常の景色ではないのですよね。アメリカの普通の町の普通の人達が映っていて、その人達の抱える色んな問題が垣間見えて、とても意義深いと思います。
銃所持を支持する勢力は、武装の自由の名のもとに銃の所持を正当化してるけれども、それは自由が行き過ぎているんだと思うんだけどな。銃のない社会になれば、もっと沢山の自由を謳歌できると思うんだけれど。でも歴史もあるし産業として成り立ってる部分もあるし、根が深いですね。
アメリカの銃を持つ自由が行き過ぎた自由だと感じるように、日本での表現の自由というものにも違和感を感じることがあります。
表現の自由のもとに差別的な言辞を弄する輩がいるけれども、それは違うと思うのです。だからといって差別発言を法で規制するというのもちょっと違うのだと思います。差別的かどうかの線引きなんてどうにでもなるのだから。
そのような発言は法規制などせずとも社会の倫理観が成立していれば浮上してこないはず。逆に言うと、差別的な発言を堂々と公言してしまう人達がいるというのは、日本社会の倫理が崩れてきている兆候だと思います。そういう発言をする人たちは日本人の良き倫理観を切り崩している人達だと思うのですが、彼等ほど日本人は素晴らしいって言いたがるんですよね。矛盾してると思います。
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