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晩春

1949年、日本、小津安二郎監督作
父と娘の二人暮らしの家族、年頃になった娘にそろそろ結婚して欲しいと父親や周囲の人間は思うが、娘は父との暮らしで満足しているという。

晩春 デジタル修復版 [Blu-ray]

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 先に観た『秋日和』と同じ、親と娘、娘の結婚というテーマのお話です。『秋日和』は1960年なので本作の方が先ということになります。『秋日和』が軽妙であったのに対して、こちらは軽さという点では薄いです。その点は小津監督が進化したということなのでしょうか。

とても穏やかなお話で、物語にそんなに起伏はないのです。昔の映画だから当然なのかも知れませんが、今の映画は2時間の間に上がったり下がったりする盛り上がりが何箇所か設定されていて、もう現代ではこんな緩やかな映画は作れないのだろうなと思います。実際、自分が観に行くのも派手なアクション映画だったりしますし。そう思うと、昔の映画のテンポというのは失われていくものなのだろうなと思います。逆に言うと、現代の映画はそれだけ進化しているということなのだろうけど、失われたものに対する憧憬というものはやっぱりちょっとあります。