苦役列車

2012年、日本、山下敦弘監督作

中卒で日雇い仕事で日々を過ごす19歳男子のお話

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これ2012年の作品なのか。もっと昔の映画かと思った。もの凄く時間の流れが緩やか。山下敦弘監督だからなのでしょうか。

原作は読んだけどもう随分前なので忘れてる。でも、原作はもっと陰鬱な感じだったと思う。対して映画の中の主人公は意外と楽しそう。山下監督はユーモラスな場面を挿入する作風なのでそこら辺だと思う。原作通りにやりたかったのだとしたら監督の選択が違ってたと思うな。原作者はこの映画嫌いらしいけど、そりゃ原作とは似ても似つかない作風だからまぁそうなるわな。

殆どの人がこの映画を観て、あの主人公じゃ周りの人間が離れていっても仕方ないと思うだろうけど、でも自分はちょっと胸が痛い。性格が激悪でも生きて行かなければいけないし、友達も恋人もいなくても生活は続く。そして性衝動もどこかで解消しなければならない。そんな人間に感情移入出来ない方が普通だろう。自分のことを普通だと思ってる人は、「俺達だって普通にやっていくのにはそれなりに苦労してんだ」と言うだろうけど、でも頑張っても普通になれない人間だって居るんよね。胸が痛いです。