人工知能は人間を越えるか/松尾豊 著

人工知能の研究、開発の歴史、現況、未来を著す一冊。

筆者は人工知能研究に長らく携わってこられた方で、その歴史から現況まで興味深く読めた。特徴表現というものについては何となくしか分からなかったけれど、人間が自然とやってることをコンピュータにさせるのが如何に難しいのかが良く分かる説明だった。
人工知能に関する話題といえば、職を追われるのではとか、軍事利用とか不安を煽る話題が多いけれど、本書のような本が広く読まれてその不安が払拭されればよいのにと思うけど、まぁ普通の人は関心そんなにないわなという気もする。

本書の帯がアニメっぽい女性の絵だったので「どうせ軟らかい内容でないの?」と思って暫く手を出さなかったのだけど、意に反して専門家が分かり易く解説本だった。あの帯は本書を手に取ろうかどうかと思ってる人には逆効果なんじゃないのかな。

脚注があって各章末にまとめてあるのですが、電子書籍でこの形式では非常に読み難い。注釈はリンクさせて章末にとんだり戻ったり出来るようにするとか、脚注をタップしたらウィンドで表示させるとかしないとホント読み難い。その内そんな風になるのだろうけど、まだ今の電子書籍は紙の本を電子化した以上のものではないな。

 

人工知能は人間を超えるか (角川EPUB選書)