日常に侵入する自己啓発/牧野智和 著

自己啓発書、手帳術、整理/片付け術などの書籍について分析する一冊。

 

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術・片づけ

 

 


男性向け自己啓発書では仕事術が語られ、女性向きでは自分らしい生き方の実践について語られるものが多いという分析。又、手帳術や片付け術の書籍群がそれぞれの技術を語るところから発展して、夢や将来を叶える為の生き方、それを成就するための手帳術なり整理術を語り自己啓発の成分が混入していると分析している。
手帖術や整理術に自己啓発書と同じ指向性が含まれているというところが面白い。

本書に書いてあることではないのだが、読後思ったのは自己啓発書というものは手帳術、整理術も含めて軽い宗教なんじゃないかなと思った。
著者という教祖がいて、彼、彼女らが説く生き方に心酔する者がいて、それを個人的に実践して満足している分にはいいのだけど、信奉するあまり他の生き方を異教として非難、排撃するという例はいくらでも見られる。宗教は法のない時代における倫理や正しい生き方を説くものから始まったのだから似通ってしまうのは当たり前なのかも知れないけれど、自己啓発書というものはやっぱり軽い宗教ですね。