ポトスライムの舟/津村記久子 著

読了。
ポトスライムの舟 (講談社文庫)

ポトスライムの舟 (講談社文庫)

 

 ポトスライムの舟と十二月の窓辺の二編を所収。

表題作の登場人物は
派遣で工場のラインで働く女性
カフェを営む女性
家族の話ばかりする女性
離婚しようと娘を連れて家を出た女性
旦那と上手くいってないライン長の女性
と女性ばかりの小説です。彼女たちの普通の生活が描かれます。編集者やデザイナーというような格好良さげな 職種の人は出てきません。それがとてもリアルに感じられます。あまり明るい話ではなくて、どちらかというと閉塞感漂う内容ですが、今の空気を閉じ込めてい てそこら辺もリアルです。
十二月の窓辺は、パワハラのお話。読んでいて胸が苦しくなりました。こういう気の狂った上司って本当にいる。あの人たちこそ仕事を休んで精神科に通うべきだと思う。