アメリカン・ブッダ/柴田勝家 著

未曾有の災害と暴動により大混乱に陥り、国民の多くが現実世界を見放したアメリカ大陸で、仏教を信じ続けたインディアンの青年が救済を語る描き下ろし表題作の他、全6篇のSF短編集。 アメリカン・ブッダ (ハヤカワ文庫JA) 作者:柴田 勝家 早川書房 Amazon …

プロメテウス

エイリアン・シリーズの5作目。 www.youtube.com エイリアン・シリーズの本編は4作とも観ているけれど5作目の『プロメテウス』は観てなかったはず。6作目の『エイリアン・コヴェナント』は劇場で観た。そう思って『プロメテウス』を観始めたけれど、幾つ…

ジョン・ウィック シリーズ

もうすぐ公開になる『ジョン・ウィック:コンセクエンス』のための予習。 www.youtube.com 『ジョン・ウィック』2014年『ジョン・ウィック:チャプター2』2017年『ジョン・ウィック:パラベラム』2019年 3本を連続で観た。 1作目では、車を奪…

田中清玄 二十世紀を駆け抜けた快男児/徳本栄一郎 著

戦前は共産党中央委員長。逮捕、転向を経て、戦後は右翼の黒幕に。アラブの石油利権で暗躍した国際的フィクサーは財界人、保守政治家、ヤクザ、学生運動家、王侯貴族のすべてを受け入れた。「法螺は吹くが嘘はつかない」などと嘯く、騒々しいが憎めない男の…

さよならエリュマントス

2023年、日本、大野大輔監督 解散寸前のチアリーダー・グループは山梨県のイベントに出演するために投宿していたが、その夜にマネージャーが地元の半グレとトラブルを起こし、騒動に巻き込まれてしまう。 www.youtube.com ご近所トラブルで憂鬱だったの…

復讐の記憶

2023年、韓国、イ・イルヒョン監督作 高齢になってもレストランで勤勉に働く男は、同僚の若い男に車の運転を依頼する。若者は喜んで引き受けるが、老人は復讐のために5人の男を殺そうと企てていた。 www.youtube.com 韓国映画。日本占領時の因縁を晴ら…

検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?/小野寺拓也、田野大輔 著

世界中で悪の見本とされるナチスだが、ドイツ国内の経済政策には成功したとか、失業率を改善した実績があるとか、少数ながらナチスは「良いこと」もしたという論者が後を絶たない。ドイツ史の専門家がそれらを検証するブックレット。 検証 ナチスは「良いこ…

新版 日本語の作文技術/本田勝一 著

新聞記者出身の著者が解説する分かりやすい文章を書くための作文術。 【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫) 作者:本多勝一 朝日新聞出版 Amazon 文章が上手いと言われなくてもよいけれど、分かり難いとは言われたくない。名文家を目指しているわけでもないが…

ヨシキ✕ホークのファッキン・ムービー・トーク/高橋ヨシキ、てらさわホーク 著

すべての映画は政治的だ!ディストピア化する世の中にファック・オフ!ガラパゴス化する邦画市場、終わらない80’sリバイバル、不毛なポリティカル・コレクトネス論争、世界を埋め尽くすディズニー帝国の覇権、ファンダムの肥大と映画批評の行方……今、映画に…

8 1/2

1963年、伊/仏、フェデリコ・フェリーニ監督作 温泉地で保養中の映画監督は、新作の制作に入ろうとするがアイデアも気力もないまま映画製作に巻き込まれていく。 www.youtube.com イタリア映画の巨匠と言われるフェリーニだけれど、その映画を観たこと…

ブラックボックス/砂川文次 著

ロードバイクを駆りメッセンジャーの仕事をする男は、不安定なこの仕事をいつまで続ければいいのか悩んでいた。そんな時に同棲している女から妊娠したことを告げられる。何か他の仕事を、と思っている矢先に税務署員が滞納している税金の催促にやってきて、…

大友良英のJAMJAMラジオ 放送700回記念 公開収録@京都METRO

京都の放送局、KBS京都で毎週金曜の24:30から放送しているラジオ番組『大友良英のJAMJAMラジオ』の放送700回を記念した公開収録+ライブ@京都METROに行ってきた。毎週楽しみに聴いていて、放送は初回から聴いているけれど、最近は、24:00から…

悲の器/高橋和巳 著

法学部の教授である初老の男は妻を亡くしていたが、若き令嬢と再婚する運びとなっていた。しかし、家政婦の女と関係を持っていたことから婚約不履行で訴えられ苦悩の日々が続く。 悲の器 (河出文庫) 作者:和巳, 高橋 河出書房新社 Amazon 著者の『邪宗門』が…

孤狼の血 LEVEL2

2021年、日本、白石和彌監督作 無法なやり方ではあるがヤクザ組織の抗争を抑えていた広島県警の大上刑事が亡くなり、その後を継いだ日岡はヤクザ同士の勢力均衡を裏であやつりながら、なんとか抗争を抑えていた。しかし刑務所から上林という武闘派ヤクザ…

孤狼の血

2018年、日本、白石和彌監督作 昭和63年、広島の呉原警察署に県警本部から赴任してきた新米刑事の日岡はベテランの大上刑事とペアを組むことになった。そして市内には、対立する暴力団の抗争が勃発しそうな雰囲気があった。大上は無法なやり方で捜査を…

グッドフェローズ

1990年、米国、マーティン・スコセッシ監督作 60年代から始まるイタリアン・マフィア一代記。 www.youtube.com ニューヨークでマフィアに憧れた少年が、その夢を叶えてマフィアの一員になり、何やかんやがあって、やがて組織を裏切ってでも生き延びる…

映画を早送りで観る人たち/稲田豊史 著

映画を早送りで観る人たちがいる。彼らは彼女らはどんな人なのか、なぜそうするのか、そうせざるを得ないのかを考察する内容。 映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~ (光文社新書) 作者:稲田 豊史 光文社 Amazon 映…

ショック・ドゥ・フューチャー

2021年、フランス、マーク・コリン監督作 1978年のパリ、若き女性音楽家アナはシンセサイザーに囲まれた部屋に籠もってCM音楽を製作していたが、締め切りの期日になっても曲は出来なかった。依頼人がやってきて「夕方まで待つ」と言われ作曲に取り掛…

ヴァルハラ・ライジング

2009年、デンマーク・イギリス、ニコラス・ウィンディング・レフン監督作 中世のヨーロッパの何処か。囚われの男は殺伐とした土地で檻に入れられ奴隷同士で戦わされる為に生きていた。しかし、沐浴のための川底で矢じりを見つけたことからそれを武器に逆…

グリーンブック

2019年、米国、ピーター・ファレリー監督作 60年代のニューヨーク、イタリア系の男はナイトクラブで用心棒として働いていたが、クラブの改装のために失業してしまう。そして紹介から黒人ピアニストが南部へ演奏旅行するための運転手としての仕事を得る…

パラノーマル・アクティヴィティ

2009年、米国、オーレン・ペリ監督作 デイトレーダーの男と学生の女は同棲していたが、彼女には子供の頃から周囲で奇怪な音がするという事があった。男がビデオカメラを手に入れて本当にそれが起こっているのかどうかを記録し始めると、異常な出来事が実…

マーターズ

2016年、米国、ケヴィン・ゴーツ/マイケル・ゴーツ監督作 ある場所で監禁され虐待を受けていた少女リュシーはそこから脱出して保護施設で暮らすことになった。恐ろしい記憶が元で悪夢に襲われることもあったが親友アンナもできた。10年後、銃を持った…

ヘレディタリー 継承

2018年、米国、アリ・アスター監督作 ミニチュア造形作家の女は母が亡くなっても悲しくなかった。夫と息子も同様だったが娘だけは祖母になついていた。しかし娘は不運な自動車事故によって亡くなってしまう。そして自動車を運転していたことで罪を感じた…

ハリウッド映画の終焉/宇野維正 著

#MeToo運動とキャンセルカルチャーによる映画関係者の排斥、マーベルなどのヒーロー映画、そして配信で映画を観ることが普及したことによって映画界はどうなっていくのかという映画評論家の著者による考察。 ハリウッド映画の終焉 (集英社新書) 作者:宇野維…

インキーパーズ

2011年、米国、タイ・ウェスト監督作 数週間後に廃業予定のホテルは幽霊が出ると噂のホテルだった。従業員の男と女は、片手間でホテルの業務を続けながら幽霊の痕跡を記録しようとしていた。そこへ有名女優だった女が宿泊するが、彼女は今は霊媒師なのだ…

サクラメント 死の楽園

2015年、米国、タイ・ウェスト監督作 カメラマンの男の妹はドラッグから抜け出すために厚生施設にいたが、やがて奇妙な教団に所属し、彼らの元で暮らしているという。妹に会うために教団を訪れるカメラマンに取材班2名が同行して取材することになった。…

ブラックフォン

2022年、米国、スコット・デリクソン監督 1978年、米国のコロラド州デンバー、児童誘拐が続く町で少年フィニーは妹と酒浸りの父と暮らしていた。そして妹は予知夢を見る少女でもあった。ある日フィニーは誘拐犯に連れ去られ地下室に監禁されてしまう…

X

2022年、米国、タイ・ウェスト監督作 1979年のテキサス、ポルノ映画の撮影隊は片田舎の農場の離れを借りて撮影をおこなおうとしていたが、その農場主は陰気な老夫婦だった。一行は、老夫婦に黙って映画の撮影を始めるが、夜になると撮影隊のメンバー…

ラストナイト・イン・ソーホー

2021年、英国、エドガー・ライト監督作 ファッションデザインの学校に入学したエロイーズは、郷里を出てロンドンの寮に入るが寮生活に馴染めず老婆の営む下宿で部屋を借りて一人暮らしを始める。しかしその部屋で毎晩60年代の夢を見て、そこに登場する…

文章読本/吉行淳之介 選・日本ペンクラブ 編

20名の作家による文章術の極意と心得 文章読本 (中公文庫, よ17-15) 中央公論新社 Amazon 谷崎潤一郎、井伏鱒二、川端康成、三島由紀夫、他、錚々たる文豪の書いた文章術が掲載されている。しかし良い文章を書く秘訣は分からなかった。もっと小手先のテク…